予想理論について
▽基本となる考え方 「複将軍」は以下の4つのパートからなっています。 (1)単勝確率の予想: どの馬がどれぐらいの確率で一着になるかを予想します。 (2)複勝確率の予想: 単勝の確率を利用して、各馬が複勝圏内に入る確率を計算します。 (3)期待値の計算: (2)の結果と複勝オッズの変化をもとに、複勝馬券を買うべきかどうかを計算します。 (4)買い目の判定: (3)で計算されたものの中から、不必要に高い値を示しているものや誤差の分を取り除きます。 このページでは、この4項目について記します。読まなくても、「複将軍」の使用には差し支えないはずです。 単勝確率の計算はさらに2つのパートからなっています。一つ目は[a]支持率と単勝勝率の統計的な関係を用いての計算[b]JRA-van Data Lab.によって提供されているデータマイニング結果からの計算。 [a]についてですが、 上のグラフは1986-1990年のデータを用い、横軸に単勝の支持率、縦軸に実際の勝利頻度(青)と単勝の支持率=単勝の勝率として計算した勝利頻度 (赤)を示しています。つまり、上の図に示された範囲においては、単勝の支持率=単勝の勝率としてもほとんど結果は変わらないのです。支持率は単勝オッズより計算しているため、単勝オッズデータが利用できるときのみ計算に用いています。 「複将軍」ではさらにこの関係に統計的な関係から得られる補正を加え、単勝の確率がより正確に表されるように改良を加えています。 [b]についてですが、JRA-van Data Lab.を利用すると、データマイニング結果(各馬の予想タイム)を得ることができます。 このデータをもとに、各馬の単勝の確率を得ています。 「複将軍」では、[a]と[b]をバランスよく組み合わせたハイブリット理論から各馬の勝率の計算ができるように工夫しています。言うまでもないことですが、出走間近であればあるほどさまざまな情報が得られ、単勝確率は精度がよいものになっていきます。
どの馬がどれだけの確率で勝つかがわかっていれば、ある程度は複勝の確率を計算することができます。例を使って説明します。 問:@ABCという馬がいて、それぞれの単勝勝率は0.4、0.3、0.2、0.1と予測されているとします。 それでは、1着がAで2着がBとなる確率はいくらでしょうか。1着がAになる確率は、0.3である。 結局、この確率は0.3×0.2÷(1-0.3)=0.086(8.6%)と計算できます。 答え「8.6%」 同様に1着@2着C3着Aとなる確率は、 1着が@、かつ @がいない状況で1着がC、かつ @とCがいない状況で1着がAである すなわち、0.4×0.1÷(1-0.4)×0.3÷(1-0.1-0.4)=0.04(=4%) と計算することができます。 お分かりのとおり、この式をつかえばどのような組み合わせに対しても確率が計算できます。複勝の確率だって、@-A-B、@-A-C、A-B-C(着順を考慮して総和をとる)の確率の和として表現することができます。 「複将軍」の内部では誤差をさらに小さくするために、複雑な計算式を用いて改良しています。 期待値とは、確率×オッズで表され、長時間平均でみたときに期待される回収率のようなものです。たとえ、勝つ確率の低い馬でも、十分に回収が見込めれば購入すべきだと判断しますし、逆に勝つ可能性の高いと判断された馬でも、オッズがそれに見合うほど高くないと判定されれば購入すべきではないでしょう。 このモデルを実際の競馬に応用してみます。以下には、2000年から2005年までのJRA(日本中央競馬会)のレースにおいて、確定オッズから単勝の予想勝率を計算し、複勝の確率をさきほどの計算式に従って計算した後、複勝オッズを考慮して期待値を求め、均等な額で購入したと仮定します。
*ただし単勝10倍以下の馬に限る 理想的な状況においては期待値と回収率が一致しているはずですが、そうはなっていません。これは、単純な式を用いたことによる欠陥であったり、あるいは単勝確率の見積もりの誤差が積もり積もってできたものです。しかしながら基本的には、複勝確率の見積もりは先ほどのような四則演算でいい近似式になります。 先ほどは簡単のために、1着2着が来る確率をp1×p2÷(1-p1)という式で計算したわけですが、これは唯一の計算式ではありません。馬の速度や走破タイムが確率的な分布をしていると仮定することにより、別の計算式を導入することもできます。 上記のようにして計算された期待値を、より現実的な値に直すために修正をかけていきます。 実際には雑多な作業を含みます。具体例をあげると、「データマイニング」の結果がときどき直感に反するとんでもない走破タイムを予想してきたときに、そのような結果が入っているデータの信頼度を下げるなどしています。 |